返済方法のススメ(5)

返済方法のススメ(5)

■ 借金を返すためにするべき事<5>

「借金をしている」ことを堂々と言える人はいない、のだ。
自分が借金をしていること、その総額を一体何人の人に伝えているだろうか。

ほとんどの人が「0人」と答えるだろう。多少の金額なら「借りちゃってさ」とか「返済が大変でさ」なんてさらっと言えるだろうけれど、数百万。しかも多重債務。理由がとくになく借金している、と思うと、人に言うのはとても難しい。大切にしている友人や恋人なんてもっての他だ。ただ、結局の所、その「言えない」という気持ちが「見栄をはる」という言葉をもっとも象徴している。

「自分がしていること」を大切な人に言えないのだ。

これはかなり信頼を裏切っている事になる。とは言っても、そう簡単に言ってしまって「失恋」「絶交」「離婚」という人との関係が壊れてしまう事をもっとも恐れることになるだろう。借金が人生を狂わしている程あるのだから、理由には多少の嘘をついても構わないと思う。

本当の理由を言うのか言わないのかはその人同士の関係値によるけれど、どんな理由をつけても自分には借金がある、ということを判ってもらうこと。その場限りの関係の相手ならば隠して付き合っていても問題はないけれど、「妻」など、一生一緒に行きて行く相手ならばなおさらだ。

なんて言葉で言うのは簡単だ。自分は、理由には嘘をついたけれど、妻に全てを話した。総額、返済期間、返済金額。涙を流されたけれど、「話してもらえないよりは良かった」と理解してくれた。今も時々、借金の話をする。どれくらい減ったか。いつまでか。終わったら旅行行けるかな、なんて。そんな妻との話が借金返済のモチベーションにもなり、しかも夫婦の関係は前よりも良いものになってくれた。

こんな風にうまく行く相手、というのは稀なのかもしれない。自分だって恋人や友人に語るのは絶対にあり得ない、と思っていた。「家族の借金を肩代わりしてしまって」なんて嘘をついていたこともある。


■ でも。


10万20万ならば黙っていてもいい。 しかし、100万以上の借金が有る人へ。

言い辛い、と思える相手にその事を白状してみて欲しい。

関係が変わらない、という事はあり得ないけれど、良く転がる事もある。自分がこれ以上借金しようとするのを心の中からも止めてくれる存在になり得る。兄弟、親戚、両親、妻、旦那、親友。誰でもいい。 勇気がいる。本当に勇気がいる。 けれど、それが人生を大きく変える。


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