借金800万の道程(2)

借金800万が出来るまで(2)

■ アコムカードが限度額一杯。


支払いはバイト代から地道に3万円ずつ行っていた。今思えば、バイト代の半分ほどが借金返済。当然払いきれず、友人に「簡単に作れるよ」と勧められ赤いマルイ カードを店頭で申し込む。これが驚きで、行ったその日に30万円借りれる。早速借りて、返済に回す。

そんな頃、大学を卒業。社員10人ほどの小さな会社に就職。仕事はやりたかった事なので、満足。寝る暇なく働いたけれど、楽しかった。上司がかなり厳しかったがけれど、嫌みのない厳しさ。仕事が出来る人間に育ててくれているのがよく判る厳しさ。嬉しかったな。土日もなかった。けど、その分、たまの休みの遊びが豪華になった。あるだけ使う。

バカだ。

■ キャッシング。

給料は手取り15万ほど。就職した事もあって、初めてクレジットカードを作った。キャッシング枠は20万。けれど、あっという間に50万に増額。給料のほとんどを遊びに使い、借金返済に別のカードでキャッシング。この繰り返し。ずっと回していればやって行けるかな、なんて簡単に考えたけれど、どんどん増えて行く。

「あ、もう限度額だ。これ以上借金出来ないや」と思っていると、カード会社から届く「限度額増額のお知らせ」。これを繰り返した。

23〜25歳で、

アコム       150万円
クレジットカード  50万円
マルイカード     30万円


合計230万円の借金を背負う。
■ 25歳で借金230万。


年収は210万。すでに年収以上の借金。

「借金の自転車操業」を繰り返していた。返す為に借りる。借金を返済出来るくらいの額を残し、限度額いっぱい。利子を給料から払うだけ。途中でばかばかしくなった事は何度もある。借金が絶対に減らない。けれど、その頃の自分は「借金が増えない」事に満足していた。

でも。そんな事を続けても欲しい物はたくさん出てくる。行きたい場所もあれば、おごってカッコつけたい相手もいる。海外旅行にも行きたい。「返すために借りる」と20歳からやってきた自分は「お金を借りる」という感覚が麻痺していた。

■ 返済出来ない。

限度額が増えるのを心待ちにした。当時はまだネットバングなんて物は珍しく、コンビニの銀行だって、大手しか無かった。店頭に行っては、「返済・限度額の確認」。時には電話で限度額が増えないか聞いた事もあった。ただ、なぜか「返済出来ない」という事態には陥らない。うまく渡り歩いていたんだ。借金の額はアコムの増額で、もっと膨れていた。

そして、27歳になった頃、それは初めてやってきた!

「これ以上借金出来ない。
給料もない。そして返済日は明日。」

冷や汗が止まらなかった。今まで、遅延したことはないのだ!


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