借金８００万の道程（５）

■　オリックスVIPローンカード。。


借入金は１５０万円。

業界トップクラスの利率の低さで全ての借金の完済を目指す事にした。

まずは、全額を借り入れし、アコムに入金。ほんの５分程の移動だったけれど、１５０万円の現金を持って移動するのは緊張した。アコムの機械にその全てを入れると表示「ザンキン３０万」。嬉しかった。ずっとこんな金額見た事がなかったから。これをきっかけに「アコムの完済」を目指す。贅沢は敵だ。

■　贅沢は敵だ！

この「贅沢は敵だ週間」は半年程続いた。乗っていた古い車も売り、節約生活に入って行こうとしたのだが、大学時代から身近に車があった生活をしていたせいもあり、やはり車が欲しくなる。

こういう思いの時はそういう話が転がってくる物で、のどから手が出る程欲しい車を信じられない価格で譲ってくれる人がいる、と持ちかけられた。金額は６０万円。ただし、相手は個人なので現金一括。もちろん、それ以外にも諸経費がかかる。

普通に買えば２００万ほどする車だ。悩んだ。アコムは残金１５万程。ここまで返済したアコムの融資枠を使うしかなかったからだ。いつかは車を再び買うだろう。ローンも組むかもしれない。けれど、その時この車は２００万。今なら買える。しかも月々２万程の返済で済む。いやいや、せっかく完済が見えてきたのにまた借りてどうする。でも６０万くらいなら・・・。

１０日間ほどそれしか考えていなかった。２０代。自分は物欲の固まりだったのだ。将来の夢。「いい家に住み、いい車に乗り、いい服を着て、いい女を連れて、いい物を食べる。」これが原因だ。

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■　結局車を買った。借金して。


「どうせいつかは買うんだから」。これが自分が借金をして物を買う時のエクスキューズだ。来月、再来月、来年、再来年に買うんだったら、今借金して買っても大して変わらない。そう思う様になっていた。

「借金が出来る額」＝「自分の使えるお金」という思考が２０代の自分の頭にはしっかりと浸透していた。車が届いた時の事は今でも覚えている。正直、自分が乗っていいのか？こんな車、と思える程かっこ良かった。新車ではないけれど、かなりのモノだ。

１５０万返して残金３０万になったアコムは諸経費なども込みで、また１１０万に戻ってしまった。

■　最高な車だった。

年式が古い外車な分、存在感がある。ただ、悪い点も多い。燃費がすごく悪く、そして非常に故障が多い。ある日なんて、高速を走っている最中にエンジンが止まった程だ。

幸い近所に腕のいい整備工場を見つけ、額を聞くと、結構な格安で直してくれると言う。もちろん、数千円ではないけれど。そんな修理を合計４回程繰り返し、合計３０万程。２年間乗った。

大きな外車を乗り回していると気持ちも大きくなるのか、「いい車に乗って、いい服を着て、いい物を食べる。」そんな生活を見事なまで実践していた。年代物の外車で、真っ白だけれど一流のシャツを着て、芸能人やモデルを普通に見かけるレストランでご飯を食べた。

給料を上回るお金を使った。残金３０万になったアコムはあっという間に１８０万に戻っていた。

３０歳、借金総額４１０万円。

アコム　　　　　　 １８０万円
オリックス　　　　１５０万円
クレジットカード　　５０万円
マルイカード　　　 　３０万円


当時収入　月手取り２６万程。返済額月１１万。


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