借金800万の道程(6)

借金800万が出来るまで(6)

■ 一度上げた生活レベルは落とせない。


30歳、借金総額410万円。
当時収入 月手取り26万程。返済額月11万。


遊んだ。車を乗り回し、友達を誘い、女性には奢り、服も色々とそろえた。まるでエリートの様な生活を送っていた。実家暮らしだったので、家にお金がかからない。それで周りに集まってくる友人もいた。自分の周りの物にすごくお金をかけていた。遊びにお金をかけていた。人生で一番派手な一年を過ごした気がする。

■ 自分が壊れる。

一人になると精神がぐっと重くなった。借金が一円も減っていないからだ。信号待ち、駅のホーム、電車の中、眠る前。一人になるとすぐに「借金」の言葉が大きく頭に出てくる様になった。

沈む。「一生返せない」=「幸せになれない」という公式がどんどんと広がってくる。涙を流した事も多かった。どうしていいかわからくなる。全ての事に対してやる気がなくなる。

もちろん、その辛さは自分が引き起こしたもの。けれど、その辛さは友人達と遊んでいると、騒いでいると和み、忘れさせてくれる。だからこそ、普段の生活にバカみたいにお金を使った。「悪しき連鎖」になっていた。

この連鎖を止めたら、自分が壊れる。
そんな気すらしてた。

■ 410万円の借金を返す方法。


30歳、借金総額410万円。
当時収入 月手取り26万程。返済額月11万。


仕事をしている降りをして毎日インターネットで返済方法を探した。平日に一生懸命節約しても、週末にバカみたいにお金を使ってしまう。

週末のためにお洒落をして、週末のために雑誌を読みあさり、物欲の固まりとなった自分がそこにはいた。色々な人間と出会った。自分が来ている服を見て、自分がどんな仕事をしているかを気にして、時計や車を自慢し合う。そんな人たちが多かった。すごく有意義に時間を過ごしている様に見えて、そして忙しそうに色々な予定を組んで、遊び場から遊び場へ飛び回っている。そんな彼らに少しでも近づきたかった。

■ その頃、彼女が出来た。

何気なく知り合ったその女性は、肩に全然力が入っていなかった。いつも身なりを気にして、ブランド品を持って、髪型や香水を気にしている女性達が多かった中で、すごく新鮮に感じた。服装に全然お金がかかっていない。ジーンズにTシャツ。時にスニーカー。なのに、とてもお洒落だった。自分のスタイルを持っていた。

高級なフレンチやブランド品に興味がない、と言えば嘘になるが、公園で、コンビニのサンドイッチをかじって一日過ごしても、同じだけ楽しめる女性だった。 なのに、自分は。 その女性に対しても見栄をはった。

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