借金800万の道程(9)

借金800万が出来るまで(9)

■ 30歳半ば。


借金残高 TSBキャピタル 410万円。

大きな間違い。
それはただ一つ。カードを全て解約しなかったことだ。

アコム・オリックス・クレジットカード
マルイカード。 0円。
アコム・クレジットカード・マルイカード 解約。

そう。よく見れば分かる。「何かあるかもしれないから」という軽い気持ちで「オリックスカード」を保持したのだ。もちろん数ヶ月は0円。返済金額も0円。保持したのは理由があった。「結婚」だ。もちろん彼女には借金のことは内緒にしていた。
結婚にはほんとうにお金がかかると聞いていた。貯金が全く無い、とは言えなかった自分は、「あ〜100万くらいならあるかなあ」と適当に返事をし続けた。オリックスを使うことに嫌悪感を抱き、結婚指輪は新しく作ったゴールドでもなんでもないカードで分割払いにした。

■ 待てよ。カードが増えてる。


ちょうど滅多に無い海外に行く仕事が入った。海外に行くのはいい。出張なので自分のお金を使わなくて済むからだ。ただ、海外出張にはどうしてもカードが必要だった。過去の例を見てもカードが無いのは不安すぎる。とりあえず、ということで、銀行系の限度額20万円のカードを作った。一本化したはずなのにカードを2枚持っている。


いや、使わなければいいんだ。使わなければ。

そうして、スムーズに結婚が決まり、想像もしない部分で色々な費用がかかっていくのだった。そして一方で、、410万円もの一本化借金があるにもかかわらず、クレジットカードの限度額は20万円単位で増えて行った。

返済毎月 92568円。 元金 52568円。 
利子40000円。 給与30万円
■ 結婚式。


甘かった。ご祝儀だけで全部をやりくりしようなんて到底無理だった。しかも、貯金が一切無い事を彼女には打ち明けられなかった。けれど、こんな男と結婚しようとしてくれる女性を目一杯幸せにしようと思う気持ちに嘘は無かった。一度だけ、借金がある、という事を伝えた。親戚の借金を肩代わりした、と嘘をついた。総額は伝えなかったけれど、返済は月に3、4万だと。心が乱れる。罪悪感にかられた。けれど、「借金がある」ということは伝えられた。そこは満足だ。

■ 一生の思い出に残る結婚式だった。


これで借金なら悔いは無い。正直に本当にそう思った。
小規模ながら新婚旅行にも行った。幸せだった。しばし借金の事を忘れさせてくれる数ヶ月。けれど、それが明ければまた憂鬱な時間がやってきた。

全てが終わった時、オリックスの借金額は
150万に戻っていた。


借金総額 560万円。
月々返済額 12万2千円。

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